「美しい星」
2020/8/1
無機質な円盤が、「ご苦労さまでした。」と迎えに来てくれるのを、待っている。
地球上で得ることのできた膨大な知識は、他の星ではきっと何の役にも立たなくて、
誰かの不安を形にしたような浮雲をノスタルジックに感じたり、
時には四季を紙芝居に起こして追憶に浸ってみたり、
1と100の違いが分からなくなったり出来たら、
末黒野に取り残されたとしても崇高になって、
瞳を伏せる次第、
ひとときを切り取る力を失ってゆくけれど、
負ける美しさに隠れた、
産み落とされたばかりの堕落を、
水槽の中の青春を、
陽炎の中に見つけて、
まだ機械的にはなりきれない自分に気付く、
晴れのち晴れの夏。