​ため息の要約

わたし嘘つきだから、本当は、あの人のことも、あの日のことも、明日のことも、何も憶えていないのに、あなたがわたしの家のカーテンにボールペンで開けた、小さな穴くらいの盃に汲んだ想い出で、すぐ酔いつぶれてしまうの。何一つ、大切にできないくせに、新しい言葉の魚群を攫ってきて、本棚の隙間を詰めることばっかり考えているし、これじゃ、死んだ木の紙詰め同然、食欲も忘れてしまいそう。自分の人生のあらすじだって書けやしないのに、あなたの書くショートストーリーにネタになればいいと思って、用賀に、お菓子で出来たプラネタリウムを建てようとしてる。でも、伝えたいことは一つだけ。胸、肩、肘、背中、太もも、踵、触りごごちは全て違うとしても、この体全て同じDNAで出来ているから、どこか一つを愛してもらえたら、地球で生きるのには、きっと大丈夫だわ。だから愛して。

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