十四段「風景」
愛していたのだ。砂粒ほど小さな気持ちで。それは、大切なのか、大切でないのか、よく分からないまま、満開の桜をヨットにして一斉に飛び散った。もう、窮屈なのは嫌なんだ。どこもかしこも、本当に、防波堤ばかりだ。
十五段「裏メニュー」
あざらしのまにまに。
穏やかな星の下。
銀色のグレープフルーツスプーン。
30センチメートル定規。
十六段「...再開発」
家に帰ると、小さな涙の海が机の上に広がっていた。名前が書かれていなかったので、誰のものだか分からず、蒸発してなくなってしまった。それから数年が経って、跡地には、万年筆と珈琲が置かれている。
十七段「誰も知らない」
途方に暮れたツバメが、静かに空を低く飛ぶ。さようならと自由の区別がつかなくなった。
幽霊は、折った首の骨をチェスの駒に変えて遊んでいる。
僕は、それを見ながら、沢山の新聞紙を千切って、空へばら撒くのが大好きだった。
十八段「出航」
初めてのワンマンは一瞬だった。
このホイップクリームみたいなドレス、とってもふわふわだけど、水の中を泳げそうで、お気に入りなんだ。 メジャーデビューした日に衝動買いした鍵盤を弾けて嬉しかった。
photo by 乙羽
十九段
降る雨を
点滴にして
歩く道
薄緑の葉
花弁悴め
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